トムとジェリーの悲しい最終回とは…?
本作は現在では珍しいタイプの、痛快なドタバタアニメだ。基本的に1話で終わるタイプのアニメだが、トムとジェリーにも都市伝説として最終回は存在している。
ある日、猫であるトムは自分の死期を感じ取り、ジェリーの前から姿を消した。猫は死期を感じるとひっそりとどこかにいってしまう習性を持っているため、その習性に従ったのだろう。
ジェリーも猫の習性を知っており、その習性ゆえに死期を悟って姿を消したのだと気づいてしまった。その時、ふと物悲しさを感じたのだが、結局知らない振りをしたのである。
遊び相手、からかう相手がいなくなってしまったことで暇を持て余していたところに、のろまな猫がやってくる。
暇を持て余して、相手がだれでも良いと思い、今度はこの猫をからかって遊んでやろうと思い、以前のように罠を仕掛けたのだ。
だが結果は、のろまな猫は罠を素通りしてジェリーを攻撃してきたのである。そこで気付いた。「ああ、トムはいつも手加減をして、遊んでくれていたんだ」と。
結局のろまな猫に攻撃されて致命傷を負い、ジェリーは死亡。遊んでくれていたトムの優しさを感じながら最期を迎えたのだ。
都市伝説として存在するこの最終回は、こういった物悲しい雰囲気で幕を閉じるのだ。
しかし天国でまた彼らが再会し、「また喧嘩ができるね」、「のぞむところさ、今度こそ捕まえてやるぞ」といったやり取りも行われるらしい。
都市伝説の中では、割と良い雰囲気で終わっているのではないだろうか?
トムとジェリーは戦争をイメージしたアニメだった!
都市伝説としてはあまり知られていないが、実は本作は戦争をイメージした一面を持っている。
実はタイトルにもその一端が織り込まれており、トムは連合軍であるアメリカ、イギリスの俗称であり、ジェリーはドイツを象徴しているのである。
なんだか突拍子もないし、ごり押しのように感じられるかもしれないが、実際本編ではアメリカ兵とドイツ兵に扮し、戦争の真似事をしているような回があるのだ。
子供向けアニメとは思えない、非常に生々しく描かれたその回は、現在では放映するのも難しいかもしれないだろう。
ちなみに初めて放送されたのは1940年であり、戦争の真っただ中であった。
その点から見ても、当時の社会風刺を意識したアニメという都市伝説もあながち嘘ではないだろう。