「きさらぎ駅」という名前の駅をご存知だろうか?
この駅は日本中どこを探しても見つからない駅である。
しかし、2004年1月8日、この存在しない駅に下りてしまった女性がいたのだ。
しかもその女性は、掲示板サイトに書き込みを残して消息を絶ってしまったことにより、様々な憶測が語られ、きさらぎ駅は釣りなのか?本当なのか、掲示板やSNSなどで議論が行われ、いつしか都市伝説として語られるようになった。
今回はそんな「きさらぎ駅」について紹介していこう。
きさらぎ駅は釣りなのか?
きさらぎ駅とは?
実際には存在しない駅である。
しかし、冒頭で紹介した通り、2004年にきさらぎ駅に降車した女性がいる。
この女性は、「はすみ(葉純)」というハンドルネームを使い、ある掲示板サイトに自身がリアルタイムで経験している不思議な現象について投稿を続けた。
はすみ(葉純)さんが体験した不思議な体験
2004年1月8日、はすみ(葉純)さんは静岡県浜松市の新浜松駅から23時40分発の私鉄に乗って帰宅している途中で、自身がおかしな状況に置かれている事に気が付いた。
以下は実際に、はすみさんが掲示板サイトに書き込みした内容を、サイトを見ていた人の書き込みと共に、読みやすいようにまとめたものである。
はすみ:毎日通勤に利用している電車で、いつもなら7・8分で目的地の駅に到着するのですが、今日はなぜだが20分以上も停車せずに電車が走り続けています。
私以外に乗っている乗客は5人いるのですが、疲れているのか皆さんうたた寝をしていて気が付きません。
書き込み:乗り間違えたんじゃないの?
書き込み:駅員さんが気を失っている可能性があるから、車掌室見に行った方がいいよ。
はすみ:心配になり運転席にいる車掌さんの元へ向かいましたが、ブラインドのようなもので目隠しをされていて中が見えず、窓を叩いてみても反応がありませんでした。
座席に戻ったのですが、普段は無いトンネルを抜けました。
電車の速度が落ちたので、どうやら駅には停車するようです。
書き込み:電車が止まりそうなら一安心だな
はすみ:電車が停止しました。
駅名は「きさらぎ駅」、聞いたことがない駅名です。
ホームで時刻表を探してみましたが見当たらないし、しばらく電車を待っても来ません。
とりあえず両親に迎えに来てもらうために駅を出てみたのですが、何も無いのです。
あるのは雑草と遠くに見える山だけで、両親にも「駅の場所がわからない」と言われてしまいました。
書き込み:きさらぎ駅なんて駅ないよ?どこなの?
書き込み:警察に電話したら?
はすみ:警察にも電話をしてみましたが、いたずら電話だと勘違いされて怒られてしまい、怖くなって謝って切ってしまいました。
書き込み:落ち着いて。とりあえず来た方向に向かって線路を辿って戻るといいよ。
はすみ:掲示板のみなさんの助言を頼りに、来た方向へ線路を歩いて戻ることにしました。
さっきまで静かだったのに、遠くから太鼓を叩く音と鈴を鳴らす音が聞こえる気がします。
しばらく歩いていたのですが、後ろから「おーい!線路上を歩いているのは危ないよ!」と声が聞こえたので振り向いたら、遠くに片足が無いおじいさんが立っていました。
太鼓と鈴の音もどんどん近づいてきました。
怖いです、私はまだ死にたくありません。
書き込み:・あなたの書き込みからは生きた人間のオーラが感じられないよ。残念だけど、もうあなたはこの世の人間じゃないね。自覚をしないと成仏できないよ。
はすみ:私は生きています。転んだ時に血が出たし、折れたヒールも持っています。
とりあえず抜けて来たトンネルを目指して歩き出しました。
トンネルに到着しました。
書き込み:トンネルの名前を確認したほうがいいよ。
はすみ:名前を確認しましたところ「伊佐賀」と書かれています。
トンネルを抜けると人が立っており、事情を話すと近くの駅まで送ってくれるということになりました。助言の通りに行動して良かったです、ありがとうございます。
書き込み:こんな時間に線路を歩いていた女の子を乗せていくとか、そこで何してたんだよその人。
はすみ:なんだか様子がおかしいのです。
近くにビズネスホテルなどがある駅に送ってくれるとの事でしたが、だんだん山の方へ向かっています。本当にこんなところに駅などあるのでしょうか。
運転手はめっきり話しかけてくれなくなりました。
運転手が訳のわからない独り言を話し始めました。
明らかに様子がおかしいので、隙を見て逃げようと思います。
携帯のバッテリーも残り少ないので、これで一旦書き込みをやめます。
・・・・・・この書き込みを最後に彼女の消息は不明となった。
この書き込みを見る限り、とても釣りとは思えない内容である。
きさらぎ駅のその後
きさらぎ駅は、いわゆる「存在しない駅」なのだが、この都市伝説が広まってからしばらくはGoogleマップ上で、とある大学の池に「きさらぎ駅」の位置情報が登録されたり、場所を特定しようとする者、自分もこの不思議な体験をして駅に行きたいと言い出す者まで現れた。
きさらぎ駅でgoogleマップで調べたけど出ないから茨城県つくば市役所からルート検索したら大学敷地内の池が出てとりあえずスクショした pic.twitter.com/Dz0r5Dpb7m
— たつ (@shift17654530) 2015年7月10日
まじゃぁァぁぁぉぁ
— あや@🐢川Φω川🐼 (@ayahachi233) 2015年7月10日
きさらぎ駅つくばに出るのに地図が出ないいぃぃぃぃぃ pic.twitter.com/qI8jLefeSY
この書き込みから10年以上が経過した頃、また別の人間が「きさらぎ駅」に下車してしまったというツイートと、駅名が描かれた看板を写した写真がTwitter上で話題となり、それからしばらく「きさらぎ駅」に下りて消息不明となった人(ネット上で)、無事に生還した人(デマの可能性アリ)などが後を絶たなかった。中には釣りであることを自白する内容もあり。
自作自演をするのは好きだけど自作自演を見るのは嫌いだからね。晒させて貰いま~す pic.twitter.com/19eiJUzzkF
— さしょー君 (@sasho_s_) 2015年8月14日
@toikoh9114 なにつまらない事やってんだ pic.twitter.com/OlUe1EaX3w
— (⃔ *`꒳´ * )⃕↝ (@460n) 2016年2月7日
これらの状況から、1人目の行方不明者のはずみさんは本当の可能性があるが、その他の情報は釣りである可能性が高いというのが現状の認識である。
「きさらぎ駅」が本当に存在するのか釣りなのか、この怪異に巻き込まれた被害者が消息を絶っている以上、真相は謎に包まれたままである。