航空写真や人の噂話で確認できるが「地図にない村」。
日本には、このように存在しない村が数多くあるという。
単なる都市伝説なのか、本当の話なのか。
謎に包まれた「地図にない村」について紹介していこうと思う。
地図にない村①:杉沢村
青森県に存在したと言われているこの村で、昭和初期に恐ろしい事件が起きた。
ある日突然、杉沢村の住人の男性が発狂し村に住む住民を次々に惨殺したのだ。
数少ない村人は男によって皆殺しにされ、事件を起こした本人も最後に自殺を遂げた。
一人の村人によって滅ぼされた杉沢村は、廃村となり、現在では行政の手によって地図から抹消されているという。
杉沢村の詳細について
青森県東部の国道も通らない田舎にあり、村の存在を知らない者が辿り着くのは不可能だと言われている。
以下に杉沢村に辿り着く為の目印について記載しておく。
- 村へと続く道路には看板が立っており、「ここから 先へ立ち入る者 命の 保証はない」と書かれている。
- 村の入り口付近には古い鳥居があり、髑髏をかたどった巨石が置かれている。
- 髑髏の巨石を右手に見ながら一本道を進んでいくと、廃墟となった村が現れる。
- 家々には血しぶきの痕のようなものが今も残されている。
ミステリー番組などでも特集を組まれるなどして、杉沢村を一目見たいと数多くの人間が探したが、結局たどり着ける者はいなかったという。
「杉沢村は、現れたり消滅したりする時空の歪みの中に存在する不思議な村」なのかもしれない。
地図にない村②:池添村
限界集落であるこの村では、名字が3つしか存在しない。
村人はお互いを名字ではなく名前で呼び合う。
村には雑貨屋と郵便局があり、食べ物などは基本的に自給自足で補っているという。
ここまではごく普通の村だが、この村の不気味な点は“お盆に行われるとある行事”である。
お盆になると、村にトラックがやってくる。
荷台には墓や仏壇に供える為の花が山ほど積まれており、運転手が村人の家一軒一軒に向かい、玄関先にその花を置いていくのだ。
供えられた花は何の為に玄関先に置かれるのか、置かれた花はその後何かに使われるのか、詳細は不明だが、非常に不気味な光景である。
恐ろしい事に村人以外がこの村に入ると、数年以内に不審死を遂げてしまうという。
地図にない村③:犬鳴村
福岡県に存在すると言われている村で、既に日本の行政記録・地図から抹消されている。
この村に住む人々は江戸時代から激しい部落差別を受けており、次第に外部との交流を拒むようになった。
村からは一切出ず、自給自足の生活をしながら、子供を増やす為に近親交配が行われているという。
犬鳴村の詳細について
- 旧犬鳴トンネルの前に「白のセダンは迂回して下さい」と書かれた看板が立っており、トンネルを抜けた先、または、わき道を進むと犬鳴村へと辿り着く。
- 村の入り口には「この先、日本国憲法は通用しません」と書かれた看板があり、しばらく進むと、古いセダンが駐車された広場に出る。
- 広場の近くにある小屋の中には、人間の死体が山積みにされている。
- 村の中には、大量の空き缶を紐に括りつけられた仕掛けが施されており、部外者がひっかかると大きな音が鳴って鎌や斧を持った村人が現れ、追い回される。
- 村人の走るスピードは異常に速い。
- 携帯電話の電波受信ができず、全てのメーカーで「圏外」と表示される。
- 村の近くにはコンビニがあるが、そこにある公衆電話は何故か警察に通じない。
- 昔、噂を聞きつけたカップルが面白半分で村へと侵入し、村人によって惨殺された。
都市伝説の真偽は定かではないが、1889年の4月1日まで実際に存在していた村である。
現在の犬鳴村は、犬鳴ダムの建設によって水の底へと沈んでしまっている。
地図にない村④:ゆびきり村
昭和50年代、九州にある村で一人の男性が農作業中、使っていた草刈機で自分の足の指を落としてしまった事から全てが始まった。
かつてこの村は、炭鉱によって栄えていたが鉱山が閉鎖されてからは、村全体が活気を失っていた。
ゆびきり村と呼ばれる理由
先ほど触れた、不注意で起きた一件の事故だけで「ゆびきり村」と呼ばれるようになったわけではない。
村では、この事件をきっかけに次々と身体の一部を欠損する事故が起こるようになったのだ。
手や足だけでなく、耳や目までも欠損する人が現れ始めると、隣村では「あの村には何か恐ろしい祟りがある。」と噂になった。
次第に事は大きくなり、村人と生命保険を契約している保険会社が内偵調査を開始した。
そこで浮かび上がってきたのは、とある恐ろしい実態だった。
頻繁に事故が起きる理由に隠された真実とは
鉱山が発達していた頃、村は活気に満ちていた。
廃校になっても、この村には公団や国から多額の一時金が支払われた。
一時的ではあるが、多額の現金を手に入れた村人達は、職に就かずに遊びほうけて家を新築し、海外旅行に出かけるなどして、お金を浪費し続けた。
幸せな時間はあっという間に過ぎ、やがてお金が尽き始めた村人達だったが、元の慎ましい生活には戻ることができずに「恐ろしい計画」を立てるようになった。
その恐ろしい計画とは、働かずにして、身体の一部を失うことによって大金を手に入れられる「保険金詐欺」である。
大金がかかっている自分自身の身体を傷つけ、下りた保険金で遊んで暮らす。
この繰り返し。
村の中で詐欺行為が当たり前に行われていた為「働かなくて良いなら痛い思いをしてでもお金が欲しい。また裕福な生活をしたい。」という欲望に飲まれ、保険金詐欺をする村人が増えていったのだ。
ゆびきり村の最後
内偵調査をしていた保険会社は村の実態を掴み、村人達を詐欺罪で告訴しようと準備をした。
その時、ゆびきり村の住人から「農作業中に自分の赤ん坊の首を鎌で切って殺してしまった。」という内容の電話が入った。
この時には警察も動いていたので、赤ん坊を殺害した村人だけでなく、これまでに詐欺行為を働いていた村人も全員逮捕された。
赤ん坊を殺害した事件に関しては、そもそも妊娠・出産したのは保険金を得る為であり、お金の為に産み落とされた赤ん坊だったという。
地図にない村⑤:樹海村
「自殺の名所」として有名な「青木ヶ原樹海」。ここには誰も知らない孤立した村があり、人々がひっそりと生活しているという。
樹海村の実態とは
樹海村が出来上がった背景には、以下のような噂がある。
噂①:自殺願望者が作り上げた村
自殺をしようとしても、死ぬのが怖くて結局死にきれなかったという話はよくある。
森の中であれば川や植物、動物などがいるため、樹海の中で死にきれかった自殺願望者が村を作って暮らしている。
噂②:サバイバル生活をしている人々と救われた自殺願望者の村
元々樹海にはサバイバルをして生活している団体がいて、自殺志願者を見つけると勇気づけて自分たちの村で共存させる。
噂③:日本の極秘実験施設
村ではなく、実は核実験など、公になるとまずい実験を極秘に行っている施設。
噂④:犯罪者の村
指名手配犯や、罪を犯したが償わずに逃亡している者が、警察の手から逃れる為に樹海へと入り、同じ境遇の犯罪者達と共に世間から身を隠している。
噂⑤:危険なカルト宗教の村
かつて樹海付近にある村に、オウム真理教の拠点であるサティアンがあった。
当時は自殺願望者を見つけると勧誘していたそうだ。
入信を断ると先ほど紹介した「極秘実験施設」に送られるという。
現在でも宗教を信仰している者たちが、自分たちのルールや信念で生活を共にしている。
樹海村は確かめようにも迷うリスクが高く、本当にあったとしても探し出す事自体が困難だと思われる。
犯罪者が潜伏しているという噂もあるようだが、確かに行方をくらますには絶好の場所と言えるだろう。
地図にない村⑥:南馬宿村
最後は、南馬宿村である。南馬宿村は「村八分」で有名な村である。村八部とは、村の掟を破った者に対して村人全員で罰を与えたり、のけものにしたりする事で、いわば「集団いじめ」のようなもの。
この村の恐ろしい所は“実際に自治体のホームページが存在するところ”である。キャッチコピーは「日本政府に忘れられた唯一の村」。
南馬宿村の村八分は“重い村八部”と“軽い村八部”があり、以下はそれぞれの例である。
【軽い村八部】
- ライフラインを全て断絶される
- 話しかけても村人全員に無視され、存在しないかのような扱いを受ける
- 村人が故意にぶつかって来る
- 行事の誘いが一切来なくなる
- 災害時の救助は一番最後に行う
- 宅配便や郵便物は勝手に処分される
- 表札を外される
- 家に「死ね」「馬鹿」など落書きをされる
- 動物の死体が家に投げ込まれる
【重い村八分】
- 殺人や窃盗などの罪をでっちあげられる
- 道路を歩くと車に突っ込まれる
- 木を切り倒して家をされる
- 家の前に廃棄物を捨てられる
- ハチの巣を家に投げ込まれる
- 飲み水を確保する井戸に農薬混入される
- 農作物に除草剤をまかれる
- 農機具や家を燃やされる
- 家の周りに深い落とし穴を仕掛けられる
…とんでもない内容だが、警察が存在しないこの村では村人が村人を裁かなければならないので、これが当たり前なのである。
村八分になった例
- 自家栽培した甘味が強すぎるトマトを村人に食べさせた
- サングラスを使用していた
- 村人が見慣れていないズッキーニを栽培した
- インターホンを家に設置した
- パラボラアンテナを設置した
- ソーラーパネルを設置した
- レゲエやラップを聞いた
- 「○○の事ご存知ないんですか?(過去にあった例でワールドカップ)」と村人を無知扱いした
- 脇毛を剃っていた(人間は本来あるべき姿で生きるべきであり、剃る必要はないため)
- ヨガをやっていた(怪しい動きに見えた)
- 改善策の提案(村の掟を変えることは論外)
一見すると「は?」としか思えないような内容だが、南馬宿村ではこれらの事で村八分が行われる。
村八分になったらどうすれば良いのか
- 村の職員が引く荷車の荷台に乗って、各家々を土下座してまわる
- 自分の行いのせいで村人からの信頼を失ったので、奴隷のような扱いを受けるが耐える
- 一切否定せず、意見を言わない
- 餅つき大会には参加してはいけない(過去に村八分になった人間が何人も杵で頭を割られているため)
- 村から出る場合は転居届を出して夜中の2時から3時に村を出る
- 重い村八分の場合は、届け出を出さずに早急に村を出る
【村八分にならない為の五箇条】
- NOと答えずYESと答えよ
- 行事やイベントには絶対参加すべし
- 押し付けられた、引きずり出されたと思うべからず
- 他人優先と考えろ
- 新しい文化や価値観を持ち込むべからず
ホームページを見ただけで、明らかにおかしい村だとわかる。
興味本位や、都会から離れたくて、自給自足を行うこの村に移住する人もいるそうだが、都会で過ごしてきた価値観は南馬宿村では通用せず、すぐに村八分となり、逃げだすか、命を落とすまでひたすら集団で嫌がらせや暴力を受けるという。
移住者はこの村の“異常さ”に気づくが、南馬宿村で生まれ育った村人はこれが当たり前。
何があっても村から出る事はせず、逆に村の外はもっと危険だと思い込んでいるそうだ。
現在もホームページの更新は続いている。
日本のどこかに存在する南馬宿村では、今も理不尽で恐ろしい村八分を受けている人がいるのかもしれない。
まとめ
このように日本には「謎に包まれた村」が数多く存在する。
「火のない所に煙は立たぬ。」ということわざが存在するように、今回紹介した村にまつわる不気味な都市伝説は、全て何らかの“根拠”があって生まれたものであろう。
少子高齢化が進む世の中で、住む人を無くした村がこれからも増えていくのかもしれない。