「~♪昔々浦島は 助けた亀に連れられて 竜宮城へ来てみれば 絵にも描けない美しさ~♪」の童謡でお馴染みの浦島太郎。
海で苛められている亀を助けた正義感の強い誠実な青年だが、実は彼の本当の姿は“遊び人”だという事をご存知だろうか?
今回はそんな日本昔話「浦島太郎」の都市伝説について紹介したいと思う。
浦島太郎の都市伝説!実は女たらしの遊び人!?
一般的な浦島太郎の内容
Japanese Ministry of Education [Public domain], via Wikimedia Commons
まずは、我々が良く知っている“正義感の強い誠実な青年バージョン”の浦島太郎について簡単に説明していこう。
①昔々、浦島太郎という名の青年が母親と共に暮らしていた。
②海で子供達に苛められている亀を見かけ、それを助けた浦島は「お礼に竜宮城へ連れて行きたい。」と言われ、亀の背中に乗って海の中にある竜宮城へ向かった。
③竜宮城には美しい乙姫がおり、魚たちの歌や踊り、御馳走でもてなされて楽しい毎日を
過ごしたが、何日かすると村に残してきた母親の事が心配になり、“絶対に開けてはならない玉手箱”を乙姫から土産に貰って地上に戻った。
④しかし、住み慣れた村は別の村のようになり、母親どころか知っている人は誰もいなくなっていた。
⑤途方に暮れた浦島は乙姫から貰った多玉手箱を開けてしまう。
すると玉手箱の中から白い煙が上がり、浦島はあっと言う間に老人になってしまった。
⑥浦島は数日間だけ竜宮城で過ごしたつもりだったが、時の流れが早い地上では何十年も経過していた。
乙姫から貰った玉手箱の中に入れられていたものは「時間」だったのである。
煙と共に浦島にふりかかった「時間」は、浦島を本来の姿に戻してしまったのだった。
遊び人の浦島太郎の内容
Los Angeles County Museum of Art [Public domain], via Wikimedia Commons
続いて、誠実なイメージとは真逆の“遊び人”の浦島太郎について説明していこう。
①昔々、浦島太郎という名の男がいた。
毎晩、遊郭(現在の風俗店のようなもの)に行き、女遊びをして酒を呑み歩き、夜の街を闊歩するのが日課だった。
②亀という名の女性が複数の男性に絡まれているのを見かけた浦島は彼女を助け、そのお礼に「竜宮城」と呼ばれる場所へ連れて行ってもらう事になった。
③浦島が連れて行かれた場所は「竜宮城」という名の怪しい遊郭で、到着して早々キセルに入った麻薬を吸わされてしまう。
遊郭で女遊びを楽しんだ浦島だったが、しばらくして麻薬の効果が切れると、美しかった女達が醜い姿だった事に気づく。
④楽しい時間は一瞬で、その後牢屋で監禁されてしまった浦島は長い年月もの間、遊郭の醜い女達に子供を産ませる為の道具として利用されるようになる。
⑤ようやく牢屋から解放された浦島だったが、その時にはすっかり年老いてしまっていた。土産にもらった玉手箱を開けると、中にはあの時に吸わされたキセルが一つ。
再び麻薬を吸った浦島は、フラフラと幻覚を見て歩き出し、崖から足を滑らせ海に落ちて転落死、あるいは溺死してしまう。
浦島太郎、お亀の復讐の内容
先ほど紹介した遊び人の浦島太郎には、また別バージョンの話がある。
こちらも②までは同じ展開なので、③から見ていこう。
③お亀と名乗る女性はお礼として「気分が良くなる魔法のキセルだ。」と言い、麻薬入りのキセルを浦島に吸わせた。
天にも昇る気持ちで気分が上がった浦島は、そのまま意識を失ってしまう。
④目を覚ますとそこは知らない場所で、「またあの感覚を味わいたい。」と思った浦島は、お亀に頼んで麻薬を吸わせてもらい、意識を失うという生活を3年ほど続けた。
⑤お亀から麻薬が残り少ない事を告げられ、村が恋しくなった浦島は土産として玉手箱を受け取り、村に帰ることにした。
⑥村に帰った浦島だったが、長い麻薬漬けの日々から立ち直れるはずもなく、淡い期待を抱いて玉手箱を開けると、キセルが入っていた。
そして麻薬を吸った浦島は一気に年老いた姿に変化してしまい、そのまま死んでしまった。
この物語、実は最初から全て計画された復讐劇だったのだ。
浦島が女遊びをしている際、関係を持った女が望まない妊娠をして、生まれた子供がお亀であった。
母子家庭でありながら、立派に自分を育ててくれた母を放っておいて、ましてや自分が産まれたことすら知らない父親の浦島に強い憎しみを抱いていた。
そして未だに女遊びをやめない浦島に復讐をする為「男たちに絡まれている」所から、お亀の計画が始まっていたのだ。
まとめ
現在語られている昔話は、その時代に合った内容に変更されているものが多い。
浦島太郎も「遊び人」「麻薬」「監禁」「復讐」など、教育上よろしくない内容が満載である。
浦島太郎の昔話がどの時点で改変されたのかは不明だが、我々が知っている浦島太郎の現実では考えられないような内容よりも、随分現実味がある内容となっている。
「女遊びが激しく遊び歩いていた浦島太郎に罰が当たった」「真面目・誠実に生きない人間の末路」を物語にしたのだと思われるが、なかなかハードな内容だ。
浦島太郎先生をお手本?にして我々も真面目に、誠実に生きたいものである。